「東紀州の山々」紹介

東紀州の山々
〈東紀州10マウンテンの会〉18年の記録
著者: 川端守/東紀州10マウンテンの会
本体価格: \2,000(税別)
サイズ: B5判並製 315頁
ISBN: 4-8331-5348-5
発行年月: 2018年4月刊

■本書の構成

103カ所の山行を「尾鷲市・紀北町」「熊野市・南牟婁郡」「奥伊勢」「新宮・古座川」「大峰山系」「大台山系」と6分野に分けて紹介。

表紙は熊野市紀和町入鹿地区で発生した朝霧「風伝おろし」を撮影した写真が使われています。

■本書の説明

著者 川端守氏が「東紀州10マウンテンの会」で歩いた山行ごとに登山の感想や記録、山々の歴史や文化にふれ、紀行文として参加者に送られた文書が編集されたものです。

一つ一つの山に著者の「思い」が感じられ、読んでいると山々の情景が浮かんできます。本書は単なる登山のガイドブックではなく「深くて豊かな紀伊山地の山々や、それをゆったりと貫く古道などを18年にわたって歩き続けた」山行記録です。

「東紀州10マウンテンの会」は1999年に発足。東紀州地域の代表的な10山の選定を目指しましたが発足から3年目に1年に10山登ることを目標に変え、東紀州周辺の山域にもその範囲を広げました。(尾鷲、熊野から日帰り可能な地域に限定)発足から18年間に 約130山を登り、参加者は延べ8600人を数えました。

年間計画から山行の案内、下見、草刈り、コース整備にいたるまで約20人のボランティアスタッフによって行われ、毎回50~60名の参加者がありましたが、惜しまれる中、メンバーの高齢化などもあり2018年3月末をもって解散されました。

一回の参加費1000円を集めるほかは入会金や年会費はなく、会の規則や会員登録もなく会の運営は「なんとなく集まってきたスタッフが中心となって行われた」と記されています。

18年の長きに亘り、大きな事故もなく毎回多数の参加者を集め、東紀州を中心とした山々を楽しみ歩き続けた偉大な記録。私たち山の会で活動する者もこの会に学ぶものが多くあるのではないでしょうか。